14タイリクバラタナゴ

外来種

生物分類 魚類
目・科・属名 コイ目コイ科バラタナゴ属
英名 Rosy bitterling
学名 Rhodeus ocellatus ocellatus
別名・地方名 カメンタ、カメンドブナ
全長 5~8cm
食性 雑食性
分布 ほぼ全国全土に分布

 バラタナゴは、アジア大陸東部原産のタイリクバラタナゴと、日本原産のニッポンバラタナゴとの2種に分けられるが、見た目だけで2種を区別することは難しい。タイリクバラタナゴはニッポンバラタナゴと容易に交雑するため、タイリクバラタナゴが全国に広まるとともに交雑がすすみ、ニッポンバラタナゴは絶滅の危機にある。
 本種は全長が最大で8cm程度だが体は平たく体高が高い。体色は光沢のある銀色で、口ヒゲはない。稚魚・未成魚の段階では背ビレの前端部に明瞭な黒色のまだら模様が入るが、オスは成長するにつれ消失する。メスよりもオスのほうが大型になる。尾ビレの付け根から伸びる体側の線が背ビレ中心部より手前で途切れる部分でスイゲンゼニタナゴと見分けることができる。
 ドブガイやイシガイなどの淡水二枚貝に産卵し、貝に卵とふ化後の一時期を保護してもらう。産卵期は3~9月と長く、繁殖期のオスは頭部の側面から胸腹部が紅赤色になる。この婚姻色(バラ色)が名前の由来になっている。産卵期になるとオスは二枚貝を中心に縄張りをつくり、産卵管の伸びたメスを貝まで誘導し、貝の出水管に産卵管を差し込み、貝のえらの中に卵を産みつける。その直後にオスは貝の入水管の上で精子を放ち、貝が精子を貝内に取り込むことによって卵は受精する。  
 1回で数個の卵を産む。メスの産卵管は長く、根元付近が赤くなるのが特徴である。
 池や沼、河川の中・下流域の流れがゆるやかな所に生息する。稚魚の間は動物性プランクトンを食べるが、成長にともなって藻類や小さな水生動物を食べる。