11アユモドキ

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在来種絶滅危惧ⅠA類

生物分類 魚類
目・科・属名 コイ目ドジョウ科アユモドキ亜科アユモドキ属
英名 Kissing loach
学名 Parabotia curtus
別名・地方名 アイモドキ、アモズ、アーモン
全長 15~20cm
食性 肉食性
分布 岡山県の3大河川(旭川、吉井川、高梁川) 琵琶湖・淀川水系(京都府亀岡市の桂川水系)

 上あごの先に2対、下あごの口のまわりに1対の計6本、ヒゲが生えている。眼の下に先端が二股に分かれた1対のトゲのような突起がある。頭と体は平たく、尾ビレは二股に分かれる。「アユ+もどき」の名前からアユに似ていると思われるが、成熟した個体を除き、大半は体の側面に横縞の模様が見られる。成長するに伴い徐々に縞模様は薄くなり、完全に縞模様が無くなると、まさに「アユ」のように見えるが、大型の成魚は基本、水深の深い本流に生息しているために自然界ではあまり見かけることができない。
 河川や農業用水に生息し、水生昆虫やイトミミズなどを食べる。
 6~7月が産卵期で、河川でも水田でもない、陸上に生息する植物が梅雨の時期に水に沈んで形成される一時的な水域でのみ産卵行動が行われる。そのため、川の氾濫が起こりやすい岡山県や京都府亀岡市でのみ生き残っていると考えられている。
 このことからもアユモドキの生息環境は人間の生活と密接に関係していることが分かる。
 現在、岡山市では賞田地域と瀬戸町南方地域で保護地を利用しての自然繁殖事業を行っている。
 日本固有種で、1977年(昭和52年)に国の天然記念物に指定。指定された日本の淡水魚は、アユモドキ、ネコギギ、イタセンパラ、ミヤコタナゴの4種類のみであり、動物学的にも貴重な存在である。